第四回 公開講座に参加して

投稿日時 2007-02-23 | カテゴリ: 総務部

 1月27日、函館市総合福祉センターで第4回自閉症公開講座が行なわれました。息子に自閉症の診断がおりてから、何度か公開講座に参加していますが、そのたびに新鮮な感動があります。
 第1部では[発達障害者支援センターあおいそら]の岩田昌子氏の『自閉症児者への支援』ということで、自閉症の特徴などの説明があった後、自閉症協会作成のビデオを見せていただきました。そのあと「自閉症と私たちの違いを体験してみましょう」と、これが大変面白かったです。まず、会場の参加者の中から一人の先生が呼ばれ前に出ると、岩田氏が「ぱぴぷぺぽ」と話し掛けます。先生は何のことかわからないので黙っていると、岩田氏はあきれた表情をして「ぱぴぷぺぽ」を繰り返します。先生のほうも「ぱぴぷぺぽ」と言ってみましたが、さらにあきれた表情でため息をつき、今度はゆっく「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」というので、同じように先生もゆっくり繰り返しました。それでも岩田氏は「何でわからないの?」「違う。」という表情をします。そして、今度はメモを見せました。すると先生は笑顔になり「○○です(自分の名前)。」と答えたのです。メモには「あなたの名前は?」と書いてありました。もうひとつの例では前に呼ばれた先生の目の前にビデオテープとビーズの糸通しのような作業の箱を何も言わずに置きました。「はい。」とだけ言われましたが、先生は何をしていいかわかりません。ビデオテープを手にとってみたり、糸通しをやってみようとしたりしますが、そのたびに手を止められ、「違う。」「何をしているの?」といらいらした表情をされて取り上げられます。どちらも岩田氏の演技が大変上手で、演技だとわかっていても「なんて意地悪な人なんだろう!!」「呼ばれた先生がかわいそう。」と思ってしまいます。しかしよく考えると、実は息子にとっては、この岩田氏の意地悪な(あくまで演技ですが)行動こそが毎日の自分の姿なんだと気づかされました。「自分はこんな意地悪をしていたんだ。ちゃんと本人にわかるような情報を与えず、勝手にイライラしていたんだ。」と気づかされました。私たちの情報の与え方が悪いのに、わからない相手のほうが悪いと思い込んでいたのです。自閉症の人がどんな特性があり、そのためにどのような支援をしなければいけないかを考えることの重要性を思い知らされました。
 第2部は「母たちの育児と育自」ということで、成人男性の母である渡辺さんのお話でした。息子さんの通勤で周囲の理解が得られず、残念な思いをされた話が印象的でした。参加者の中にも障害のあるお子さんを育てて苦労をされた方の発言があり、周囲の理解を得ることがどれだけ難しく、そのことによって本人や家族がどれだけ大変かということがよくわかりました。私も息子の障害がわかるまでは、さまざまな誤解や無理解に苦しめられてきましたが、今では、自閉症協会でたくさんの先輩や仲間に支えられ、とても心強いです。でもそれは、今よりも理解の少ない中で大変な思いをされてきた先輩方が、自閉症が一般に多く知られるようにと活動し続け、少しずつ理解が広がってきたおかげだと思います。これからも私たちの後に自閉症と診断される家族がたくさんいることでしょう。その家族が、つらい思いをしないようにもっともっと理解を広めるようにがんばらないといけないと思いました。いつかは自閉症児を育てていると言えば、「個性が豊かなお子さんで、面白い子育てが出来てうらやましいなぁ。」と言われるくらに、周囲の理解が広がればいいなぁ。そんな夢を持ちつつ、これからも自分の出来ることをがんばっていきたいと思う講座でした。

                                                       千葉 




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