3月20日付けの北海道新聞に、当会会長、俉樓礼子がリサイタルの来場を呼びかける記事が掲載されました。
是非、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
→ 紹介記事
このたび、アンケート調査の結果が、3月6日(火)付けの北海道新聞に掲載されました。
北海道新聞社様には、取材及び記事の掲載に際し深く感謝申し上げます。
→ 掲載された記事はこちらから
3月2日(金)北斗市農業振興センターにて、第3回学習会が開催されました。この度の学習会は道南分会では、初の試みである「実践発表会」でした。モニター会員が専門部の先生や学校の先生との連携・協力のもと、それぞれのテーマに沿って1年間家庭で行った支援方法と、その支援によって子供がどのように取り組めたかを発表されました。そして、講師である「それいゆ自閉症支援専門家養成センター」センター長の服巻智子先生にアドバイスを頂く、といったものでした。
モニター会員の方々が、どのような経緯でテーマ(どんなことに取り組むか)を決め、更にどのような方法で支援していくべきかを話し合い、問題点はその都度対処しながら子供に合った支援を続けてきました。それぞれの家庭で取り組んでいる様子を収めたビデオも交えながら、実に具体的に発表されました。更に会場には実際に使用された支援グッズ(絵カードや写真等)も展示されました。そして発表ごとに服巻先生が取り組んで良かった点や改善点をアドバイスして下さいました。三人の方が発表されましたが、どれも大変参考になりました。
日頃失敗や訂正・子供に拒否されることに抵抗を感じて、新しいことにチャレンジできずにいる私にとっては、子供に合った支援方法であれば問題は乗り越えられるという勇気をもらいました。また認知度は違っても、視覚支援や構造化が自閉症児者にとって最も有効だということも、モニター会員のお子さんの家庭での様子を見たことで改めて感じました。
服巻先生が色々とお話下さったアドバイスの中で、「先(発展)を望むよりも、やっていることをやめる勇気も必要」という言葉が強く心に残りました。私もそうですが、「コレができたら次はアレもできるようになってほしい」と思いがちです。子供本人は1つできるようになって、現状でハッピーな状態でいるにもかかわらず、親としてはやはり1つでも多くの事を一人でできるようになってほしいあまりに、支援を発展させて継続してしまいがちです。でもそれをやめることも必要だということを、服巻先生は教えて下さいました。
当事者親子・学校・専門家がひとつになって、その子にできそうな日常課題を見つけ、一緒に方法を探り、問題を乗り越えながら支援していくといった一連の輪は、どこにでもあって当然のような気はします。しかし現実はそうではなく、むしろこの様な輪が理想的であるとさえ思えます。
今回のような取り組みが続くこと、そして障がい児者を取り囲む輪が学校・専門機関だけでなく地域にまで広がっていくことを願って、まずは我が子の日常生活を見直して、何に取り組めるかを考えてみようと思った学習会でした。
江繋
1月27日、函館市総合福祉センターで第4回自閉症公開講座が行なわれました。息子に自閉症の診断がおりてから、何度か公開講座に参加していますが、そのたびに新鮮な感動があります。
第1部では[発達障害者支援センターあおいそら]の岩田昌子氏の『自閉症児者への支援』ということで、自閉症の特徴などの説明があった後、自閉症協会作成のビデオを見せていただきました。そのあと「自閉症と私たちの違いを体験してみましょう」と、これが大変面白かったです。まず、会場の参加者の中から一人の先生が呼ばれ前に出ると、岩田氏が「ぱぴぷぺぽ」と話し掛けます。先生は何のことかわからないので黙っていると、岩田氏はあきれた表情をして「ぱぴぷぺぽ」を繰り返します。先生のほうも「ぱぴぷぺぽ」と言ってみましたが、さらにあきれた表情でため息をつき、今度はゆっく「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」というので、同じように先生もゆっくり繰り返しました。それでも岩田氏は「何でわからないの?」「違う。」という表情をします。そして、今度はメモを見せました。すると先生は笑顔になり「○○です(自分の名前)。」と答えたのです。メモには「あなたの名前は?」と書いてありました。もうひとつの例では前に呼ばれた先生の目の前にビデオテープとビーズの糸通しのような作業の箱を何も言わずに置きました。「はい。」とだけ言われましたが、先生は何をしていいかわかりません。ビデオテープを手にとってみたり、糸通しをやってみようとしたりしますが、そのたびに手を止められ、「違う。」「何をしているの?」といらいらした表情をされて取り上げられます。どちらも岩田氏の演技が大変上手で、演技だとわかっていても「なんて意地悪な人なんだろう!!」「呼ばれた先生がかわいそう。」と思ってしまいます。しかしよく考えると、実は息子にとっては、この岩田氏の意地悪な(あくまで演技ですが)行動こそが毎日の自分の姿なんだと気づかされました。「自分はこんな意地悪をしていたんだ。ちゃんと本人にわかるような情報を与えず、勝手にイライラしていたんだ。」と気づかされました。私たちの情報の与え方が悪いのに、わからない相手のほうが悪いと思い込んでいたのです。自閉症の人がどんな特性があり、そのためにどのような支援をしなければいけないかを考えることの重要性を思い知らされました。
第2部は「母たちの育児と育自」ということで、成人男性の母である渡辺さんのお話でした。息子さんの通勤で周囲の理解が得られず、残念な思いをされた話が印象的でした。参加者の中にも障害のあるお子さんを育てて苦労をされた方の発言があり、周囲の理解を得ることがどれだけ難しく、そのことによって本人や家族がどれだけ大変かということがよくわかりました。私も息子の障害がわかるまでは、さまざまな誤解や無理解に苦しめられてきましたが、今では、自閉症協会でたくさんの先輩や仲間に支えられ、とても心強いです。でもそれは、今よりも理解の少ない中で大変な思いをされてきた先輩方が、自閉症が一般に多く知られるようにと活動し続け、少しずつ理解が広がってきたおかげだと思います。これからも私たちの後に自閉症と診断される家族がたくさんいることでしょう。その家族が、つらい思いをしないようにもっともっと理解を広めるようにがんばらないといけないと思いました。いつかは自閉症児を育てていると言えば、「個性が豊かなお子さんで、面白い子育てが出来てうらやましいなぁ。」と言われるくらに、周囲の理解が広がればいいなぁ。そんな夢を持ちつつ、これからも自分の出来ることをがんばっていきたいと思う講座でした。
千葉
日本自閉症協会では、平成18年7月からAC公共広告機構による「自閉症」の支援キャンペーンを スタートさせ、全国123社の新聞メディアを通して自閉症の認知と理解のための新聞広告による啓発活動を展開しております。道南においては、北海道新聞道南版に8月末新聞広告が掲載されたのを機に、地域における自閉症理解がどの程度進んでいるのかのアンケート調査を、関係機関の皆様にご協力いただき、9月中旬から1ヶ月かけて実施致しました。この度アンケートの集計、考察結果をまとめた報告書が完成致しました。
報告書では、道南事情もふまえながら、アンケートの集計結果から判明したことや、明らかになったこと、今後の道南における課題などを中心に報告しております。ぜひご覧下さい。
◆ 調査報告書 概要 ◆
1.アンケート協力機関名(配布1345部、回収率77%)
2.回収率、年代と性別、回答者の区分
3.自閉症の捉え方と理解についての考察
自閉症にについて、誤解していたこと
道南における自閉症支援の現状と課題
4.一般の人の自閉症の認知と理解についての考察
一般の2機関を通してみえてくること
5.一般の回答者からみえてくる道南分会の現状と課題
6.AC広告の効果と期待
7.アンケートの自由記述
8.まとめ
報告書はこちらから